一般社団法人 全国燃料協会 Japan Charcoal and Fuel Association

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薪炭について

❶炭の種類や作り方について[答え]


Q01炭の種類にはどんなものがありますか?

A作り方や形、使い方などによって、いくつかの分け方があります。炭化方法(炭の作り方)による種類分けでは、備長炭などの「白炭」と、茶道用や暖房用の炭のような「黒炭」があります。形状による種類分けでは使いやすい大きさに切った「切り炭」、製材した時に出るオガ粉を圧縮・加熱して作るオガライトを炭化した「オガ炭」、粉状の「粉炭」などがあります。原料による種類分けでは、樹種ごとに「クヌギ炭」、「ナラ炭」、「竹炭」などがあります。用途による種類分けでは「土壌改良用木炭」、「調湿用木炭」などがあります。

Q02炭はいつ頃から使われてきたのですか?

A炭の利用は、人類によるの火の制御と同時期で、30~70万年前頃とされています。日本に現存するものでは、愛媛県肱川村の30万年前生成の洞窟から出土した木炭が日本最古の木炭とされており、その一部は社団法人全国燃料協会に保管されています。

Q03炭をやく方法には、どんなものがありますか?

A大きく分けて、「無蓋製炭法」「坑内製炭法」「伏せやき法」「簡易製炭法」「炭窯製炭法」「平炉製炭法」「機械炉による製炭法」の7つがあります。
 無蓋製炭法は、木の枝などの炭化法で、平地や小さな穴を掘った場所に枝を積み重ねて火を着け、次々に枝をかぶせて不完全燃焼させ、最後に土か水をかけて消火する方法です。
 坑内製炭法は、土に穴を掘り、枯れ枝でたき火をし、その上に炭材をのせ、その上を枝をでおおい、十分に炭材に火がついたら土をかぶせて消火する方法です。
 伏せやき法は、平地、あるいは土中に20~30cmの長方形の穴を掘り、その上に炭材を積み、上部に草、土などでおおい、点火して炭化する方法で、点火する箇所の反対側に煙突をつけます。煙突の煙の色で炭化の度合いを判断し、消火の際は煙突を抜いて空気を遮断します。
 簡易炭化法は、移動式炭化炉、組立式炭化炉、ドラム缶炭化炉などによる方法です。
 炭窯製炭法は、粘土や土を基本材料にして炭窯を作りって製炭する方法で、大きく分けて黒炭窯と白炭窯があります。
 平炉製炭法は、平坦なコンクリートの上にオガ粉、木材チップ、樹皮などを積み上げて点火して炭化する方法です。コンクリート床の下に通風口を設けて、床の端に煙突をつけて通風を促します。燃え上がりつつある火に原料をかぶせながら炭化します。
 機械炉による製炭法は、ロータリーキルン、揺動式炭化炉などによる大規模な機械式製炭炉による製炭方法です。

Q04白炭と黒炭の違いは?

A炭は大きく分けて備長炭などの「白炭」と、茶道用・暖房用に使われる「黒炭」があります。大きな違いは消火方法にあり、白炭は消火の時に炭窯から火のついた状態で引き出し、消し粉と呼ばれる灰をかぶせて消火します。この灰が炭に付着していることからこの名称がついたとされています。黒炭は炭化の最終段階で窯口、排煙口を土などで密閉して、窯への空気の流入を止めて消火します。白炭の特徴は、(1)皮がついていない、(2)たたくと硬い金属音がする、(3)表面が白く、硬い、(4)断面には割れ目が少なく、光沢がある、(5)火つきが悪いが火もちがよいことなどが挙げられる。一方、黒炭の特徴は、(1)皮がついている、(2)たたくと鈍い音がする、(3)表面が黒く、崩れやすい、(4)断面には割れ目が多い、(5)火つきがよいが火もちは比較的短いことなどが挙げられます。

Q05「備長炭」とはどんな炭ですか?

A「紀州備長炭」は和歌山県だけでなく、現在の和歌山県全域と三重県南部が産地の「ウバメガシ」・「樫」を原料にした白炭を指します。
 「備長炭」の名は、通説では元禄年間(1688~1704年)、備中屋長左衛門が発明したのが始まりとされていますが、万治年間(1658~60年)紀州北牟婁郡の炭焼きであった大津市右衛門が改良したという説もあり、定かではありません。
 備中屋長左衛門は紀州田辺藩城下町の炭問屋で、享保15年(1730年)から嘉永7年(安政元年にもあたる1854年)までの124年間に4人存在し、この炭問屋の取扱商品を備長炭と名付けたと言われ、現在の和歌山県田辺市の東、旧秋津川村付近の製炭者により改良されたものと考えられています。(『炭』岸本定吉 著 創森社刊)
 備長炭には「紀州」のほか、高知県の「土佐備長炭」、宮崎県の「日向備長炭」などがあります。

Q06活性炭と木炭はどう違うのですか?

A活性炭は、木炭、ヤシ殻炭、石炭などを、水蒸気や二酸化炭素などで高温処理するガス賦活法、あるいは未炭化原料を塩化亜鉛などの水溶液に浸した後に高温で焼いて処理する薬品賦活法で処理された炭をいいます。木炭に比べて孔が小さく、比表面積が大きく、吸着性能も高いのが特徴です。

Q07炭には品質基準はありますか?

A現行では以下の2つがあります。
 (1)「木炭の規格」(平成15年3月 社団法人全国燃料協会・日本木炭新用途協議会)
 (2)「新用途木炭の用途別基準」(平成16年3月 社団法人全国燃料協会・日本木炭新用途協議会)

❷炭の生産量や輸入量について[答え]


Q08木炭の生産量、輸入量はどれくらいですか?

A国内生産量は、1940年(昭和15年)にピークとなる約270万トンが生産されました。戦後は、原油の輸入自由化(昭和35年・1962年)をきっかけに石油の利用が中心となり、木炭の生産量は以後減少し、現在は26,740 トン(2008年、粉炭含む)です。輸入量は141,202トンで、中国が最も多く、以下、マレーシア、インドネシアとなっています。

Q09炭やきさんは、今どれくらいるのでしょうか?

A平成20年現在で、備長炭などの白炭の生産者数が629人、暖房用などの黒炭の生産者が3,464人、竹炭の生産者が989人となっています。年々生産者の方々の高齢化が進んでおり、生産者数も減少が続いています。

Q10炭の産地はどこですか?

A平成20年の統計では、日本の47都道府県のすべてで炭が生産されています。備長炭のような白炭の生産量は、和歌山県(1,692トン、48.1%)、宮崎県(569トン、16.2%)、高知県(567トン、16.1%)、大分県(136トン、3.9%)、愛媛県(93トン、2.6%)などとなっています。暖房用などの黒炭の生産量は、岩手県(4,321トン、35.1%)、北海道(2,585トン、21.0%)、福島県(657トン、5.3%)、熊本県(650トン、5.3%)、鹿児島県(519トン、4.2%)となどなっています。

❸炭と環境とのかかわりについて[答え]


Q11炭は木からできています。木を切ることは森林破壊にはなりませんか?

A森林破壊ではありません。むしろ次の森林を育てるために伐採しています。
 国内産の炭の多くは広葉樹で、炭にするには樹齢が10~30年の木が適しています。この頃に伐採すると切り株から新しい芽が出て、新しい森が生まれます(萌芽更新といいます)。また、木炭生産者は太い幹だけではなく細い枝も無駄なく利用します。そのため、木炭原木を切った山は林地残材も少なく、日光の当たるきれいな山になり、次の森づくりができやすくなります。

Q12炭を燃やせばCO2 が出ます。地球温暖化が進むのではありませんか?

A確かに炭を燃やせば二酸化炭素が排出されます。しかし、これに含まれる炭素は、炭の原料になる木や竹が生長する過程で光合成によって大気から吸収したものです。このため、炭を燃焼させても全体から見れば大気中の二酸化炭素量は増加していないことになります。この性質を「カーボンニュートラル」といいます。

Q13炭が地球温暖化防止に役立っているというの本当ですか?

A木や竹を炭化すると、その体を構成する炭素分のうち、30~40%が炭として残ります。この炭の炭素分は、植物が光合成によって生長することで大気中から取り込まれたものです。これを燃やすことなく、土壌改良資材として農地に施用したり、水質浄化などに利用すれば、その炭素は「炭」の形で残りますから、温室効果ガスである二酸化炭素を大気中から減少させることになるのです。

Q14木炭が環境にやさしい燃料というのは、どういうことですか?

A木炭は平成20年10月1日より、地球温暖化防止に貢献するバイオマスエネルギーとして、経済産業省、環境省、農林水産省によって法案で位置づけられました(農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律=通称:農林漁業バイオ燃料法)。木炭を燃料にすることは、ガスや電気を使用するよりも温室効果ガスの発生も少なく、二酸化炭素の吸収量の少ない老齢木を利用し、吸収量の多い若い木を増やして森を若返らせることにつながり、地球温暖化を抑制することに貢献しているのです。

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