薪炭について
❹燃料としての炭の利用について[答え]
Q15炭はどこで買えますか?
Aお近くの燃料店、ホームセンター、アウトドアショップなどで販売しています。国産の木炭は日本の森林を若返らせ、里山の環境保全などに役立っています。ぜひ国産の木炭をお買い求め下さい。
Q16炭に上手に着火するにはどうしたいいですか?
A市販の着火剤を利用するか、「火熾し(ひおこし)」という道具を使ってガスレンジで着火して下さい。火の強さは弱火にすると爆跳しにくくなります。野外の場合は、古新聞をたたんでねじったものをいくつか炭の間にいれてから着火するとよいでしょう。いずれの場合も、炭火コンロや七輪の中に炭を並べる時に、煙突状に並べると、対流による効果で着火しやすくなります。
Q17一般の人が炭を使って美味しく焼くにはどうしたらいいですか?
A「強火の遠火」で焼いて下さい。ご家庭ではバーベキューコンロや七輪などで炭火焼きをされると思いますが、炭火の火力は強いので、食材と炭火の距離が近いと、すぐに焦げてしまいます。また、炭が真っ赤におこってから食材を焼き始めると、火力が安定してムラなく焼けます。
Q18家庭で炭を使う時の注意点を教えて下さい。
A炭が燃える際には一酸化炭素が出ます。深刻な場合は死に至る場合がありますので、1時間に2、3度を目安に、窓を開けるなどして換気をして下さい。また、新しい炭をつぎ足す際は、いきなり燃えている炭の上に置くのではなく、しばらく炭火の近くにおいて暖めてからつぎ足すと、はぜにくくなります。
Q19木炭がはぜるのですが、どうしたら防ぐことができますか?
A爆跳(ばくちょう)と呼ばれる現象で、原因は、(1)炭が湿っている、(2)未炭化の炭である、(3)老木で作られた炭である、(4)炭をいきなり火にくべる、などが挙げられます。主な原因は(4)で、木炭の細かな孔に残っている水分が、急激に加熱されたことによって膨張し、炭が破裂することで起こります。これを防ぐためには、火のそばに次にくべる炭を置いてしばらく暖めてから継ぎ足すとよいでしょう。
Q20木炭の保存はどのようにしたらよいですか?
A湿度の少ないところに保管すれば、いつまでも変わらずに使うことができます。ただし、木炭は臭いを吸着しますので、長期間保管した炭は燃焼時に臭いが出ることがあります。長期間保存するよりは、布や紙に炭をくるんで冷蔵庫、下駄箱の脱臭・調湿にお使いいただくことをお勧めします。
Q21着火が早くて火もちがよく、爆跳しない備長炭はないのですか?
A炭はそれぞれに特徴を持っています。着火のよい炭は軟らかく、その分火もちは短くなり、着火の遅い炭は硬く、火もちは長くなりますので、それぞれの「個性」とお考えいただきご理解下さい。原料が自然の樹木ですので工業製品と違い、絶対に爆跳しない炭は残念ながらございません。湿度が低く風通しのよい場所に保管し、急激な温度上昇を避けることで、ある程度爆跳を防ぐことができますので、お試し下さい。
Q22食材を炭で焼いた際、高級な白炭の方がより香ばしい香りがつくのですか?
A炭火焼きの香りは、燃えている炭に落ちた脂分やタレなどが煙になり、それが食材に当たってつく香りと考えられています。炭の種類によって効果が異なるかどうかの科学的な研究は見当たりませんが、火力によって香りの着き方が変わることはあるかも知れません。
Q23備長炭にはいろいろ種類がありますが、国産と中国産では燃焼温度はどれくらい違うのですか?
A和歌山県林業試験場が行った研究結果では、ウバメガシを原木にした紀州備長炭と荒カシなどのカシ類を原木とした白炭に比べて、中国産白炭は物質の熱伝導のしやすさを示す伝熱率が低く、燃焼時間も国産の約5時間に比べて1時間程度短くなっています。 ただ、炭は産地、原木、炭化方法などによっても異なるため、プロのユーザー様には、実物を実際にお使いになって比較することをお勧めします。 資料:「広葉樹白炭の製炭及び燃焼特性」和歌山県林業試験場特用林産部 (www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070100/070109/seika/sen-h17/title_d/fil/1762.pdf)
Q24炭を燃やしたら煙が出ました。
A煙の出る炭は、炭になりきっていない未炭化のもので、不良品です。国内産の炭ではほとんどありませんが、輸入品のバーベキュー用木炭などに時々あるようです。商品を購入した販売店に相談してみて下さい。
Q25燃焼時、炭から炎が出ていないのは火力が弱いからではないですか?
A炭は炎を出さない燃料で、赤外線による輻射熱で食材を焼き上げます。輻射熱とは、高温の固体表面(この場合は炭)から低温の固体表面(この場合は食材)に、その間の空気などの気体の存在に関係なく、 直接電磁波の形で伝わる熱のことです。炎が出る炭は揮発分呼ばれる不純物が多く残る未炭化の炭で、食材を炎で焦がしたり、煤がつく原因になりますので、炎の出ていない状態が正常な炭の燃焼です。
Q26炭火で肉や魚などを焼くとおいしいと言われるのはなぜですか?
A炭は煙、炎を出さない燃料で、赤外線による輻射熱で食材を焼き上げるためです。輻射熱とは、高温の固体表面(この場合は炭)から低温の固体表面(この場合は食材)に、その間の空気などの気体の存在に関係なく、 直接電磁波の形で伝わる熱のことです。また、ガスでの調理と異なり燃焼ガスに水分を含まないため、外側がパリッと焼き上がり食材のうまみを逃がさず、それでいて中まで短時間でよく火が通り、おいしく焼けるのです。
Q27炭をやくことと木を燃やすことはどう違うのですか?
A炭をやくのは「炭化」、木を燃やすのは「燃焼」です。炭化と燃焼の違いは、炭化がごくわずかな空気の中で行われるのに対して、燃焼は十分な空気の中で行われる点です。空気が十分であれば完全燃焼して、木は灰になりますが、空気が不十分であれば不完全燃焼になって炭ができます。
Q28炭が燃えるのはなぜですか?
A「燃える」という現象は、一般的には可燃物質と酸素の化学反応のうち、発熱と発光を伴う「燃焼」を指します。炭の8割~9割以上は炭素(C)です。これが酸素(O)と化学反応を起こして発熱、発光して、その結果、CとOが結びついて一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)ができます。
Q29炭の原料になる木の種類によって炭の性質は変わるのですか?
A同じ炭のやき方をしても、木の種類によって炭の性質は異なります。広葉樹と針葉樹の違いがわかりやすい例です。針葉樹の炭は内部にできる孔の大きさが広葉樹に比べて大きく、孔と孔の間の壁の厚さが薄いので、軟らかい炭になります。このため、スギやマツなどの針葉樹の炭は酸素が内部に入りやすくなり、火つきがよく、すぐに高い燃焼温度が得られます。日本刀の鍛錬にマツ炭が使われるのは、一気に火力を上げることができるためです。反面、火もちは悪く、長時間の燃焼には向きません。
Q30炭にする樹種が同じなら、炭の品質はほぼ同じになるのですか?
A白炭の場合は、まだ燃えている炭材を炭窯から引き出して、消し粉をかけて消火をするので、品質はほとんど同じです。黒炭の場合は、炭窯を密閉して消火をするので、炭窯の場所によって炭化温度が異なるため、炭の品質は異なります。
Q31炭を還元剤に使うとは、どういうことですか?
A還元は、酸化の逆で、物質から酸素を減らす、または水素を加えることで、そのような作用のある物質を還元剤といいます。還元剤としての炭は、主に製鉄用に使われており、炭を燃焼させた中に鉄鉱石を入れ、鉄鉱石(酸化鉄=Fe203)の中の酸素を取って鉄(Fe)にするのに使われています。炭は約9割が炭素でできていて不純物が少なく、反応性が高い上に、同等の性質の他の製品よりも価格的にも優位性があります。
Q32まだ燃えている炭を消すにはどうしたらいいですか?
A「火消し壷」という壷に、火箸などを使って、火のついた炭を入れてふたをしてください。空気が遮断されて安全に消火できます。この炭は着火しやすいので、次回の種火にご利用下さい。野外の場合でも、火消し壷をお使いになることをお勧めします。火のついたコンロに水をかけると灰が大量に舞い上がるので、お勧めしません。